徳島市アトリエN| 設計:富田建築設計室

Nさんから電話を頂いた。
Nさん: 「増築してアトリエをしたいんですけど、、、いくらくらいでできるんです
か?」
本田: 「なぜ、うちに頼んでくれるのですか?」

Nさんとはそれまで面識はあったけれど、特に親しい間柄というのではなかった。
最初は木造で増築という事だったのだけれど、途中で北に独立して建てるということ
になった。
富田さんが夢をどんどん膨らませていった。トコトン信頼していただいた施主さんに
感謝する。こちらもトコトンの仕事をさせていただいた。
Nさんのご家族の暖かさ、ご理解にも感謝する。

ここから、どんどんNさんのすばらしい作品が生まれることだろう。

(担当 福田貴大)

 
アトリエ新築工事

外観

ガルバリウムの外壁   躯体は、化粧合板コンクリート打ち放し仕上げ。その横に外壁k型スパンドレル張り
の平屋の収納庫。
庇をすべてガルバリウム鋼板で覆い、異っぽく見せず打ち放し壁に重圧感をもたらせ
ている。
建物廻りには撫養石を敷いています。

玄関

アトリエ新築 玄関  

玄関ドアは、コスト削減の為に、耐水ベニヤフラッシュの上にガルバリウム鋼板を貼り、また色を黒くしてコンクリートに負けないくらいの重圧感を出しています。

設計者によるとドアの吊元を左にしているのは異空間という意味でしたらしい。

土間には黒の豆砂利洗い出し使い天井(白)と調和を図っています。

 

アトリエから玄関を眺めたところ

アトリエから玄関  

玄関ホール(豆砂利部分)とフロアの取合をステンレスで見切り、段差を0にしています。

コンクリート壁、白いウレタン系で塗られた壁との間に、スリットを設けていて間接光を取りいれています。

その横の壁(k型スパンドレル)は内⇒外へと1つの壁で出来ていて一体感を見せています。

開口部の大きなリビング

アトリエ  

アトリエ部分は天井高4.3mの吹抜。そのコンクリートの壁には施主様自らが描かれた絵が飾られています。

床はなら系合板フロアを斜めに張って空間を広く見せています。

2階からアトリエを眺めたところ

アトリエ  

2階からアトリエを眺めたところ。
コンクリート打ちっぱなしの壁が2階の天井まで続きます。

書斎

アトリエ  

デザインやアート関連の書籍を収納する書棚。

設計士からのメッセージです

念願のアトリエが完成した。
磨いた石のように光沢のあるコンクリートの壁面を指で撫で、満足感に浸っている。
長年心の奥底で眠っていたものが、本田さんと富田さんとの出会いにより、 まるで穴蔵から目覚めた熊のように【※最近読んだ「邂逅の森」の影響】、パァッと光が差し目の前に新世界が広がった。
富田さんの斬新なアイデアは、湧き出る温泉のように心地よい。
それぞれの工程段階での、こだわりのある職人の仕事は本田さんのポリシーでもある。
現場監督をはじめ工事に携わってくださった方々に心から感謝している。
出会いと信頼により生まれたこのアトリエは、白いキャンパスに彩られたマティスのようだ。
最初は、アトリエと言うよりも、もっと簡単な自由なスペースを確保できる程度のものでも良いと妥協していましたが、本田さんの紹介により富田さんと3人で話している内に意気投合し、だんだん「本当に自分が求めているもの」に到達しました。
「一生に一度のもの」に取り組むには、やはり思い切りと信頼が大切だと思います。
私は、100%満足しています。お世話になりました

徳島市S様

設計士からのメッセージです

かねてより念願していたアトリエの設計チャンスに恵まれた。
内部は5.5m角の平面に天井高4.3mのコンクリートの箱。
その直方体の東側3分の1に木造の床を組んで2層に分け水回りや書斎・収納を確保した。
残りが吹抜けを持つアトリエ空間である。
要望の多い住宅では使い勝手や着飾ることに終始し見失いがちになる空間構成が、この建築にはそのまま残ったように思う。
いま振り返ってもプリミティブなデザインの追求作業は楽しいひとときだった。
監理は建築主でもあるグラフィックデザイナーのN子さん自らが行ったので工事途中は全く知らない。
お披露目の日に、内部空間そのものをキャンパスにした「色の三原色の作品」を拝見することになったが、幼い頃に別れた娘と成人になってから出会ったような・・・そんな感動があった。
監理のない珍しい仕事だったが、施主と施工者に恵まれて味わうことのない不思議な喜びに浸れたこと・・・感謝しています。

富田建築設計室  富田 眞二