徳島市増改築工事 | 設計:新居建築研究所

築20年の木造住宅の増改築工事です。
はじめは「台所を快適に」ということでスタートしたA様邸のリフォーム。設計士の新居さんと暮らしに対する価値観を語り合い打ち合わせを重ねることで、最終的には14.5坪の大規模な増改築工事となりました。
A様が「新築」の選択肢を選ばなかったのは、消費一辺倒の価値観を否定し、古い空間に宿る家族の記憶への愛着を大切にしたいという気持ちから。
葉枯らし乾燥の木頭杉を構造に使った、全面総ガラス張りの見事な空間が完成しました。
タウン誌「050」、県政だより「OUR徳島」でも紹介されました。
(現場担当:本田耕三)

 
建築家と考えるリフォーム


施工中の様子

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リフォーム前の様子。
築20年の木造住宅です。
  既存建物の一部を取り壊し、葉枯らし乾燥の徳島杉で組んだ軸組を取り付けます。   完成外観。

外観

増改築工事は既存の建物の状態のチェックなど、着工前の調査がとても重要になってきます。
下の写真は建前の様子。建前時に「井」型を組み構造用金物で補強していきました。そのため建方に 至るまでの時間が長く、一日で棟上げができなかったという思い出もあります(苦笑)

ビオトープのある家 外観  
葉枯らし乾燥の徳島杉を構造に用いました。   葉枯らし乾燥 徳島杉
   
「井」型を組んで立ち上げます。   葉枯らし乾燥 徳島杉
   
完全に新築部分の構造が立ち上がるまで、既存の柱の一部を既存建物の補強材として用い支えていました。   葉枯らし乾燥 徳島杉

リビングダイニング

ガラス張りのリビング  
総ガラス張りのLDK。
断熱効果の優れた遮熱型ペアガラス Low-Eを使用しています。
構造となってる杉材は木頭で70年間かけて生育されたものを、じっくりと山の中で寝かして‘葉枯らし乾燥’されたもの。人工的に急激に乾燥されたものに比べ、強く、狂いがなく仕上がります。
葉枯らし乾燥については徳島杉の林業家達で結成されたTSウッドハウスのwebサイトに詳しく説明されています。
柱と柱の間に「通し貫」と呼ばれる木材を水平に貫通 させくさびによって柱と貫を固定させます。   貫工法

床材は30mm厚の徳島杉。
米ぬかワックスを塗って仕上げています。
スタイロフォームを断熱材に用いました。
工事中に水等に塗れないよう、床養生には十分気を使います。
徳島杉のフローリング   床板は巾190mmの杉材。1間が950モジュールで設計されているため、ひとつの柱間に5枚の板が入り、板の線と柱の中心線が揃いました。
     
外壁   道路側には杉材で目隠しを設けました。杉板を黒いサドリンで塗装した目隠し壁。
     
  ガラス張りのリビング 貫工法

階段

階段  
鉄骨の階段に檜上小節の踏板を乗せて作りました。
施工途中で段板を1枚増やすことになったため、鉄骨の加工に苦労しました。
手摺が揺れないようにするのにも苦労しました。
鉄板プレートの上に踏み板を乗せ、踏板は木製のフラッターレールを設置し、滑り止めに。

鉄骨の階段
  鉄骨の階段

階段吹抜け部分から和室を眺めたところ。
オレンジ色の建具は上下とも開閉できるようになっています。
オレンジ色はサドリン塗り。
和室の天井はアワガミファクトリーの和紙に柿渋を塗って仕上げたものを貼っています。
  アワガミファクトリーの壁紙

2階寝室からリビングを見下ろしたところ

階段  

2階寝室からリビングを見下ろしたところです。
重要な接合部は「ホームコネクター」という特殊なジョイント金具を使って、各 部材を接合していきました。

設計は日本の伝統建築の知恵や技術を新しく活かそうとしています。
この柱の組み方の「貫工法」もそのひとつです。(新居建築研究所)



お施主様からのメッセージです

自然の息吹の中に包み込まれているような、自然の素材と一体となっているような、すばらしく素敵な暮らしです。
こころばかりかからだまで健康になっていく感じ。
この家からエネルギーをいただいている感じです。
家の 力って本当にすごい! とても幸せです。

徳島市 A様

設計士からのメッセージ

身近な自然環境を通して、日々さまざまな発見があり、心が開放されてゆくことを感じる住空間ということで、施主とまったく一致し、この家ができました。
A様が新しい家に望んだことは、日常を通じて感性豊かな生活がしたいということでした。
その思いが生かされ、2階までの吹抜けのリビングは天井までのガラス張りで、周囲の風景も部屋の一部のように同化させています。
春には緑が茂り、花が咲き、実がなり、風景が育ってくるということが起こってきます。
この家自然乾燥させた杉材と共にもっと風合いが出てきてますます美しく、生活が魅力的になっていくでしょう。
できる限り地域の素材、すばらしい地域の恵みを生活空間の中で生かしていこうと考えています。
海外の森林が減少する中、日本は最大の木材輸入国。そしてその日本の山は荒れている。その現実に対して一戸の住宅も世界につながっていることをいつも意識しています。
日本の伝統技術を活かし、大工さんの腕と技術を十分発揮していただいた住宅です。
監督さんも一生懸命がんばってくれました。

新居建築研究所所長 新居照和

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